開業のきっかけ
皆さんそうだとは思いますが、私にも沢山の思いがあり開業に踏み切りました。
その中の一つを今日はお伝えしたいと思います。
元々、学生の頃から訪問看護をしたい気持ちが強く訪問看護の仕事に就かせていただいておりました。
まだ経験も浅く職員の中でも1番若かった私。
ある癌終末期の患者様の契約時に管理者と同行訪問をしました。
奥様と患者様であるご主人様と4人でこたつを囲んで話をしていた時の事です。
ふとこたつから出ていた脚を見るとパンパンに浮腫んでいました。
胃癌の患者様で、消化管症状の訴えはありましたが脚のむくみについては特に訴えはありませんでした。
しかしどうにも脚が気になってしまって、お話の途中そっと患者様に「脚を触っても良いですか?」と告げ、脚を本当に軽くですがずっとさすっていました。
訪問が終わり管理者から「患者さん、すごく気持ち良さそうな顔をしていたよ。良く気づいたね」と言っていただきました。
その後、ほかの看護師が訪問した際も患者様は脚をさすってもらった事が本当に嬉しかったと言って下さったそうです。
そして、なによりも嬉しかったのはまだ若く頼りなさそうな私の訪問を楽しみにして下さっていた事。お看取りの時も偶然に私が電話待機当番で、最期の時も一緒に過ごさせて頂くことができました。
この時の私は、リンパ浮腫に対する手技も知識もほとんどありません。
ですから、本当に軽くさすっていただけなのです。
それによって浮腫が軽減したとかではなく、触るさするという行為に気持ちを込めることで相手に想いが伝わったのだと思っています。
この想いを沢山の方に伝えたい。
今もその想いは変わりません。
対象がどなたであっても、想いを込めて触れるタッチケアを私は提供し続けていきたいと思います。
そんな想いもあり、立ち上げのきっかけの1つとなりました。
他のきっかけもまたお伝えさせていただけたらと思います。
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